DaJa
大江戸シンフォニックウィンドオーケストラ第4回定期演奏会作品公募入選作品
及び
21世紀の吹奏楽 第20回“響宴”作品公募入選作品
及び
平成29年度 第50回JBA「下谷賞」受賞作品
作曲者 | 下田 和輝 |
作曲年 | 2015年 |
演奏時間 | 09:00 |
グレード | 3.5 |
編成 | 小編成〜大編成 |
最小演奏人数 | 17人 |
楽譜 | 株式会社CAFUAレコード(レンタル譜) |
サンプルスコア | 1ページ目のみ |
録音CD | ●21世紀の吹奏楽「響宴XX」~新作邦人作品集~ 馬場正英指揮/東京都立片倉高等学校吹奏楽部 ●埼玉県バンドクリニック2018 外崎三吉指揮/朝霞市立朝霞第一中学校吹奏楽部 |
演奏動画(フル): https://www.youtube.com/watch?v=3rPJJ-Acp0k
演奏: 岩手県立久慈高等学校吹奏楽部
指揮: 佐藤 公治
参考音源(抜粋): https://www.youtube.com/watch?v=cCEKDt_fmHw
演奏: 東京都立片倉高等学校吹奏楽部
指揮: 馬場 正英
【楽曲解説】
平成29年度 第50回JBA「下谷賞」受賞作品。
大江戸シンフォニックウィンドオーケストラの第4回定期演奏会作品公募の入選作品として、樫野哲也指揮、同団によって2015年6月20日に初演されました。また、2年後の2017年3月19日に行われた「21世紀の吹奏楽 第20回“響宴”」にて、馬場正英指揮、東京都立片倉高等学校吹奏楽部によって再び演奏されました。
曲名にある「南部地方」とは、江戸時代に南部氏の所領だった地域のことで、現在の青森県の東半分、岩手県の北部および中部、秋田県北東部の一角という3県にまたがる広大な地域の事を指します。
この作品は、その「南部地方」に古くから伝わる「ナニャドヤラ」という盆踊り唄のフレーズを用いて作曲されました。
盆踊り唄「ナニャドヤラ」はさまざまな歌詞で唄われますが、基本的には以下の歌詞で唄われます。
ナニャドヤラ
ナニャドナサレノ
ナニャドヤラ
ナニャドヤラ…なんだか呪文のような響きのする言葉ですね。
「ナニャドヤラ」の起源をめぐってさまざまな説がありますが、その説明をすると話が脱線するのでここでは割愛します。
私の故郷・岩手県洋野町(ひろのちょう)でも、お盆の時期になると必ず街中で「ナニャドヤラ」の盆踊りが行われます。
幼少の頃から親しみを持っていた「ナニャドヤラ」。以前からこの「ナニャドヤラ」のフレーズを用いて吹奏楽曲を作ってみたいという思いがありました。
作曲するにあたり、「ナニャドヤラ」盆踊りそのものに焦点を当てるのではなく、フレーズを用いて南部地方の四季・南部地方に住む人々の心情を描くという所に焦点を当てて作曲しました。
曲は南部地方の寒々しい秋・雪深い冬から始まり、寒さと雪をしのいだ先には待ちわびた暖かい春、そして遠くから「ナニャドヤラ」の太鼓が聞こえてきて、最後は情熱的な熱い夏が描かれて曲は幕を閉じます。
ちなみに本作品のタイトル「DaJa(ダジャ)」は、南部地方の方言(南部弁)の一節から敬意と誇りを込めて引用しています。
最小17人から演奏可能ですが、50人を越える人数でも演奏可能で、多ければ多いほど迫力のある演奏となるでしょう。
演奏会やコンクールに最適な作品となっております。
【演奏上の留意点】
曲後半のナニャドヤラ太鼓は、立って担ぎながら演奏します。バチは太めのバチを使用しましょう。
ナニャドヤラ太鼓(さんさ桶太鼓)が用意できない場合、大きめの桶太鼓を、大きめの桶太鼓が用意できない場合は長胴太鼓を、長胴太鼓が用意できない場合はFloor Tomで演奏しましょう。
150小節目〜221小節目は、どうしてもテンポが早くなりがちなので、落ち着いて[4分音符=106]で演奏しましょう。
【演出のアイディア】
ナニャドヤラ太鼓を叩く奏者が複数いて、且つ「ナニャドヤラ」を踊ることが可能な場合、150小節目より登場するナニャドヤラ太鼓を、ステージ上ではなくホール1階後方扉付近で演奏を始め、162小節目までその場で演奏した後、163小節目よりステージに向かって踊りながらナニャドヤラ太鼓を演奏すると良いでしょう。
↑の演出をする場合、167小節目〜182小節目まで太鼓奏者がステージに到着する直前まで何度も繰り返し、181小節目〜182小節目の【Bassoon】【Bass Clarinet in B♭】【1st & 2nd Horns in F】【3rd & 4th Horns in F】【Euphonium】のフレーズは最後の繰り返しの時のみ演奏しましょう。また164小節目〜190小節目の【Timpani】は休みましょう。
167小節目〜190小節目の【1st Alto Saxophone in E♭】【Piccolo】のSoloは、「ナニャドヤラ」の歌詞を用いて実際に歌ってみても面白いでしょう。歌う場合は以下のパート譜をご利用下さい。
「DaJa」歌パート譜(クリックするとpdfファイルが開きます)
それぞれのパートを一人ずつで、マイクを用いて歌うのが望ましいです。男声女声どちらにも対応できるように、それぞれのパートにcueを書きました。(男声パートの調が女声と異なるのは、歌いやすい音域に設定したためです)
以下に、実際に歌われている「ナニャドヤラ」の動画をご紹介します。ご参考までに。
【楽器編成詳細】
Piccolo (Opt.)
1st Flute
2nd Flute
Oboe (Opt.)
Bassoon (Opt.)
Clarinet in E♭(Opt.)
1st Clarinet in B♭
2nd Clarinet in B♭
3rd Clarinet in B♭(Opt.)
Bass Clarinet in B♭(Opt.)
1st Alto Saxophone in E♭
2nd Alto Saxophone in E♭(Opt.)
Tenor Saxophone in B♭
Baritone Saxophone in E♭(Opt.)
1st Trumpet in B♭
2nd Trumpet in B♭
3rd Trumpet in B♭(Opt.)
1st & 2nd Horns in F
3rd & 4th Horns in F (Opt.)
1st Trombone
2nd Trombone
3rd Trombone (Opt.)
Euphonium
Tuba
String Bass (Opt.)
Timpani (Opt.)
【1st Percussion】
Suspended Cymbal
Bongos
3 Toms
Floor Tom
Nanyadoyara-Daiko
【2nd Percussion】
Triangle
Snare Drum
Sleigh Bells
Finger Cymbals
Nanyadoyara-Daiko
Floor Tom
【3rd Percussion】
Wind Chimes
Bass Drum
Suspended Cymbal
Glockenspiel
Tam-Tam
【4th Percussion】(Opt.)
Glockenspiel
Chimes
Wind Chimes
Vibraphone
Tam-Tam
Suspended Cymbal
Floor Tom
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